昨日、電話をいただき、都内で2時間ほど面談をしました。
後継者がいるという事でしたので、気軽にお会いしました。
見た目にはかなりお歳と思われましたが、70代前半の先生でした。
いわく、40代前半の勤務税理士に引き継がせることは決まっている。
ご自身も30数年前に、勤務していた事務所を引き継いだ経験がある。
その時は、亡くなった先生の、資格のないご家族をそのまま雇った。
その家族も、当然のように勤務税理士の自分より高給と取っていた。
しかし、経営者となると、仕事もままならない”ご家族”には、お引き取りを願うことも。
そうはいうものの、先代の奥様には、年間売上以上の金額を支払った経緯がある。
何ら仕事もできないご夫人に払い続ける際も、税務署のチェックが気になったがこれはクリア。
数十年前の話なので今や時効だが、よく経費として認めてもらえたものだがと思う。
そこで、自分が勤務税理士に事業を承継する時には、どうすればいいのかが、今回の相談。
自分の事務所を評価することもできないし、勤務税理士を納得させる客観的な材料もない。
ご自身は、年間売上以上の金額をなき先生の奥さんに払った経緯があるので、それが一つの材料。
しかし、今の時代、年間売り上げと同額で事務所を引き継ぐことを了承する人は少ない。
なぜなら、これからの税理士業界が萎んでくることは、だれもが想像できるから。
となれば、年間売り上げと同額で引き取るようなことは、本当にまれもまれ。
しかも、引継ぎをしっかりできなければ、お客さんはほかに行ってしまう。
引き渡す先生が、信頼できる引き受け手であることを顧客に証明する必要がある。
それができなければ、当局の言うところの紹介料は、当然少なくならざるを得ない。
勤務税理士が引き継ぎ手である今回は、それほどの心配はないだろう。
しかし、あまりの高額の引継ぎ料を要求すれば、後継者も二の足を踏む。
いずれにしても、しっかりと話し合い、顧客サービスを十分にできる形で承継する。
それにより、譲り渡す先生にもそれなりのものを、手に入れることができるはずだ。
お金がかかわると問題は難しくなるが、これをクリアすれば、話は簡単。
先代が築いた城を守ることができれば、万々歳のはず。
独立できる条件が整っていない今の状況では、後継者として認められれば、うらやましい限りだ。
事業承継支援室長
大滝二三男