国税通則法が改正されて3年、税務調査の手法も変わらざるを得ません。
そこで、当局が目を付けたのが顧問税理士。
税務調査の相手はもちろん納税者ですが、顧問税理士は代理人として調査を受けます。
調査件数が増えない中で、税務署の税理士監査担当者は増えました。
税理士の非違を発見するのが、税理士監理官の仕事。
間違いを犯すような税理士が担当する納税者には、必ずや”脱税”が把握されるだろう。
というのは定かではないが、やはり多くの顧問先がチェックの対象になるのも事実。
税理士を追及しておけば、顧問先の申告にも好影響があるだろうと考えるのは、推測できます。
ですから、コンプライアンスをしっかりできない税理士であれば、当然職員も甘くなっています。
ベテラン職員に野放図な仕事をさせること自体が、コンプライアンス違反であることもある。
過去に事業承継で話をした先生は、決算も申告ぎりぎりにまとめ、監査する時間もない。
そんなベテラン職員がおり、彼の決算や申告は、申告書提出後にチェックするという。
これこそ違反行為。ベテラン職員は当然所長のチェックを受け、その指導の下に申告書を作成。
作成された申告書を税理士がチェックをして、正しいと判断されたものが提出される。
それが、電子申告をいいことに、申告期限日の午後12時直前までに作成、そして申告ボタンを押す。
とんでもないことだが、IDは所長のものを使用しているから、税務署は税理士がチェック済みと考える。
でも、常にこのような行為をしていると、税務署も調査対象にピックアップ。
申告書そのものより、先生の対応を見抜くわけ。
申告書のサインをすることのない電子申告だけに、高齢の先生には電子申告ができないこともチェック。
職員任せの申告に当然、チェックは入る。年季のいった職員には普通のことだが、これはご法度。
これからの税務調査は数字の見極めより、税理士の監督責任にも重きが置かれるようになっている。
指導・監督すべき所長が職員任せにした結果、業務停止の処分を受けた先生も増加中!
昔から言われ続けていることですが、指導・監督は先生の命綱でもある。
事業承継支援室長
大滝二三男