数日前のセミナー後の懇親会で聞いた話ですが、昨年のにほんでのIPOの規模は300億円。これに対して、香港のIPOは3兆円だそうです。
香港でIPOをすると、莫大な資金が調達できるということの証明ですが、日本企業も冷え切った日本国内にとどまらず、香港などに進出すべきだといいます。
確かに、ベンチャー企業にとって魅力的ですが、農耕民族の日本人からは思い切って、海外に本社を移して、現地で頑張る猛者はなかなか出ないようです。
そんななかで、海外での頑張りを協力にバックアップする宋文洲さんのメルマガに、「さようならのタイミング」と題したコラムが載っていました。
日本国内のベンチャー企業で大企業に成長したユニクロの柳井社長の現場復帰で後継者選びが難しくなったことやダイエーの中内氏の辞め方のなどの例に、
「さようならのタイミングこそ創業者の最も重要な仕事でしょう」と言われています。同時に後継者は育てるものではなく、後継者自らが成長するものだと。
会計事務所に当てはめてみると、一人親方がほとんどですので、後継者を育てるどころか、後継者にお客を取られるから、税理士は雇わなかったのが大半。
そのため、自らが引退するときには、高齢で、ほかの人生など思うべきもない状況に陥っているケースも少なくない。
それでも、職員たちを多く抱える事務所では、仕事を辞めるタイミングはついつい遅れ勝ちになり、万骨枯れるまで齢を重ねることにもなる。
高度経済成長期を生き抜いてきた先生方は、ほとんどがそれなりの資産家。今回の相続税大増税ではほとんどの方が税金を納めるに違いない。
もう辞めるタイミングは他人から言われるものではないことを十分ご存知だが、そうやすやすと城を明け渡すわけにはいかないというのが現実。
そんな78歳の先生から今日もお電話をいただきました。「どうしたらいいのかね」と。確定申告が終わってからゆっくりお話を聞くことに。
事業承継支援室長
大滝二三男