社長さんにとって、税理士はまさに先生。
でも、経理担当者にとって、領収書などをやり取りする職員も、先生。
そこで誤解は生じてしまう。
零細企業の家族従業員も、税理士事務所の担当者を税理士だと勘違いする。
その勘違いから、担当者から言われることが、正しいものだと思ってしまう。
過去の話だが、その゛先生゛が言うことは、゛指導゛だと判断。
゛先生゛の交際費も、言われる通り、領収書と交換に現金を渡す。
普通では考えられないことだが、゛先生゛の言うことは、正しいはず。
税金を払うより、経費として交際費を払った方が良いと言う。
それが税理士事務所の職員の飲食費に化けるとは、とんでもない話。
いわば、税理士事務所の職員と顧問先との癒着だが、そこに不正は?
職員の゛指導゛で交際費などを支出し、節税できたと喜ぶ顧問先も。
そんな話はないでしょう、と笑う税理士さんがほとんどでしょう。
しかし、実際に事業承継の話が進むと、出てきます。
なぜ、我々に話をすることなく、事業承継を決めたんですか、と職員。
強硬に反対する職員の主張を聞くと、顧問先が契約解除しますよ、と。
そうなると、事務所経営はできなくなるというのだ。
先生は顧問先がなくなれば、承継の際、評価は引くなり、手取りが減る。
そうなるのは避けたい。
結局、職員が大反対する事務所の事業承継は、先生の意思は通らない。
資格なき職員だけで、税理士事務所は成り立たない。
「先生、我々が頑張りますから、死ぬまでお願いします」
実際に、こんな事例があります。
職員たちは、そして先生は何を考えているのでしょうかね。
顧問先との折衝をすべて職員任せにした先生には、止めようがありません。
顧問先に゛先生゛と言わせておくのは、間違いの元かも。
事業承継支援室長
大滝二三男