税制改正に思うこと、その2.
来年の1月以降から、日本国外に居住する親族にかかる扶養控除等の書類添付の義務化。
今回の改正の発端になったのが、国内で働いている外国人の扶養控除の申告。
1000万円以上の所得を上げているそれらの人のうち、多人数の扶養を申告し、結果還付申告に。
これは、税務署ではその扶養の事実を確認することができず、申告通りに処理した結果だ。
そう、20年前、米国の会計事務所を視察した折に、同国でも同じような事態がありました。
1995年、米国では所得税の確定申告に電子申告を導入スタートしていました。
紙の申告が専らだった当時には、分からなかったことが、電子申告で明らかになったのです。
というのも、例えば、メキシコから出稼ぎに来ている人たちの申告書から判明した事実です。
その申告書には、メキシコにいる10~20名以上の扶養親族の名前がずらりと並んでいました。
そんな申告書が次々と見つかり、これをチェックしている中で、なんと犬や猫の名前まで出てきたのです。
笑い話ではなく、そんな事実が把握されました。
これらの扶養親族の実態を調査するには、膨大な事務量がかかりますので、不可能です。
そこで、米国政府は所得税法を改正し、米国内に居住する扶養家族を控除の対象としました。
電子申告を採用することで、大量のデータ処理ができたことにより、このような処理が可能に。
日本では仕送りという昔ながらの”親孝行”が認められ、扶養という概念が広く理解されています。
しかし、外国に住んでいる家族を扶養する事実が把握不可能のであれば、大いに問題です。
労働力がこれからも極端に減少しますから、それをカバーする外国人の労働力が必要になります。
20年遅れで米国の後を進む日本ですから、これはしょうのないことでしょうかね!?
この秋に9年ぶりに米国西海岸の会計事務所を視察するツアーを開催します。
行ってもいいかな、とお考えの方は是非ご連絡ください。
もちろん、現地の事業承継についても、じっくり視察します。
事業承継支援室長 会計事務所の事業承継は「エヌピー通信社 事業承継支援室」へ
大滝二三男 https://e-syoukei.biz
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