税理士として数十年のキャリアがあっても、後継者がいなければ、事務所は存続できない。
資格ビジネスのつらい一面だ。
税理士の子弟が試験の挑戦するも、途中で断念するケースは後を絶たない。
とにかく試験そのものが難しく、落とすための試験で、試験頭のない人ははじかれてします。
五科目をクリアした先生にしてみれば、自分が受かったのだから、子供受かると思い込む。
遊ぶチャンスが今から数十年前と比較すると、大違い。いわゆる誘惑が多過ぎるのだ。
風呂に入るにも、トイレに行くにも参考書を持ち込んで、受験勉強に一生懸命だった。
それなのに、子供たちはまじめに受験勉強に打ち込んでいない。受かるわけがない。
こんな発言をする老先生も少なくない。
事業承継を決めざるを得ない先生のせめてもの、悔しい叫びなのかもしれない。
しかし、事業承継の際に、そのお子さんたちが引き継ぐ事務所に残ることが、実は重要。
先生のお子さんたちがいることで、顧問先が離れないという事実がそれを物語っている。
まじめなお子さんで、業務も誠実にこなし、顧問先からの信頼もある、先生の代理でもあるのか。
そう、先生との付き合いで顧問先となった社長さんたちは、先生がいるという錯覚を持つ。
息子たちが残っているんだから、そんなに簡単に契約を破棄できませんというわけだ。
息子さんたちの立場からも、父親が苦労して作り上げた事務所を継げなかった負い目もある。
しかし、自信の立場を理解すれば、事業承継が成功するか否かを握っていることにも気づくはず。
そう、胸を張って顧問先に「いい先生に経営統合してもらいました」と、言えることにもなる。
そうなんです。創業所長の子弟が経営統合した事務所にいること自体が大きな戦力なんですね。
息子さんたち、辞めてもらっては困るんです!! 経営統合する先生の切なる願いです。
事業承継支援室長
大滝二三男