これまでに業務提携という言葉は使いませんでしたが、相続業務がその典型でしょう。
実際、全国の税理士から相続案件処理を依頼され、多くの実績を上げている大法人が有名。
とかく資産税に弱いと意識している税理士は、相続、中でも財産評価に躊躇。
その評価事態に間違いがあれば、依頼主から損害賠償請求が生じるリスクもある。
しかも、単純に路線価で評価をした土地には、様々な評価減の要素があったりする。
当然評価に当たっては、現地調査を行い、不動産鑑定士の意見などを参考にするのだが。
最近は相続人たちも賢くなり、依頼先の税理士以外にも参考意見を聞いたりする。
その際は、自分の都合のいい条件しか言わないのが通例だから、税金が高くなる話はアウト。
そんな、こんなで、相続人とのコミュニケーションも煩わしいとばかりに、”相続税理士”に投げる。
まあ、紹介をもらった”相続法人”も紹介料を支払い、案件に対応。
申告書まで作成し、依頼先の税理士が申告するときもあれば、申告までもすべてをこなうことも。
実際には将来的に税務調査を受けることを考えると、”法人”の名前で申告する方がベター。
このやり方は30年以上前から行われているわけだから、業務提携が今始まったということではない。
相続では簡単に業務提携しているのだから、通常業務で提携したも問題がないはず。
実際、特別な提携業務がなくとも提携し、将来のリスクへの対応を考えている税理士もいる。
今の税制を考えると、個人の税理士事務所では対応しきれないということから、まず提携。
案件が出た際に位置から話し合いを行うのではなく、日頃から情報交換を密にしておくこと。
十分には対応しきれないことが分かれば、ただちに対応を依頼する体制が整っている。
こうなれば、税理士個人も一安心。肩の荷が下りたということにもなる。
精神衛生上、こんな形の業務提携、経営にタッチをするわけではないので、これまたオーケー。
先生個人の殻を破って、「判らないことがあったら、聞ける耳を持つ」これは需要ですね。
事業承継支援室長
大滝二三男