税理士事務所を引き継ぐのに、どれくらい資金があればいいのでしょうか?
こんな質問とともに、”退職金”がいくら手に入るのか?と婉曲に質問する人も。
昨年より確実に当支援室への問い合わせは、増えています。
なかには税理士を雇い、相性が合えば、後継者にするはずだったが、ダメでした。
その結果、弊支援室の門をたたかれた先生も、実は結構多いのです。
本当のところ、ご自身が第一線で活躍していた時には、後継者問題に耳を貸さなかった。
もちろん、事務所に先生と呼ばれるのは自分だけでいいのだと、頑張っていた先生も。
当然、後釜を養成することなく晩年を迎えることとなり、これまた時間との勝負になっていることも。
しかし、後継者を育成するのは時間がありませんから、腹を決めて、承継者を探すべきでしょう。
腹を決めるということは心も動揺しますし、考えもなかなか決まりません。
人生に一度のことですから、誰もが悩みます。しかし、通らなければならない道でもあります。
特に、大都会ではどこの誰が事業を承継したなどの情報は、ほとんどわかりません。
静かに事務所を閉鎖すればいいだけの話で、後ののんびり余生を送るだけ。
ところが、地方都市ではそうもいきません。
なかには高齢の先生に関する情報に精通した税理士さんが、構えている支部もあります。
言葉は適切ではありませんが、支部役員をやっているのは、顧問先がもらえるからという猛者も。
ごく一部の人の話ではありますが、その”伝統”がそこかしこに生きているのも事実です。
この場合には、それほど多額な”退職金”を手に入れることがでいないのも”常識”です。
最近は私どものような仲介をする企業も増え、多くの情報を手に入れられる環境にもなっています。
扱う案件も様々で、その対応を誤るととんでもないことになります。
仕入れられる情報に流されて、結局いつまでも承継ができないケースも出てきています。
”三者一両得”的な考え方ができれば、結構速く話がまとまります。
あまりに自分だけがよければいいといった感じですと、まとまるものもまとまりません。
ですから、一般の相場を理解すれば、自ずと落ち着き先は決まります。
事業承継支援室長
大滝二三男