税理士事務所の事業承継を初めて、足掛け9年になります。
当初は、単純に税理士事務所の経営をバトンタッチする、手助けだと考えていました。
税理士・所長は、誰もが子供に事務所を継いで欲しいと望んでいます。
自分が受かった試験だから、子供儲かるはずだと考えても不思議ではありません。
自らのDNAが引き継がれているのだから、必ず受かるはずだと考えているはずです。
その期待に応えられる子弟も、もちろんいます。
でも、税理士試験は受験生を落とすため、ふるいにかける正確があります。
そのふるいにかけられ手も、”生き残る”受験生は、その数%にすぎません。
”試験頭”に長けた人は合格のテープを切ることになります。
しかし、試験に合格したからといって、事務所を経営する能力があるわけでもありません。
その一方で、五科目をクリアできなかったが、経営者の一員として大活躍の例もあります。
大手の税理士法人で、実質的なナンバー2として、重責を担っている人は見受けられます。
税理士事務所の場合、経営者は税理士でなければなりませんので、あくまでもナンバー2です。
しかし、このような組織で働き、経営能力を十分発揮できる環境があれば、人材はいきます。
経営者の血縁関係者でなくとも、所長との意思の疎通ができていれば、経営も安泰です。
こんな事務所であれば、税理士として就職し、後に代表者になれる人材も育ちます。
そう、経営者の一員は、税理士でなくてもいいじゃないか、形はどうでも、そんな気もします。
別会社の社長として、いかんなく能力を発揮し、税理士事務所本体を元気づけることも可能ですね。
事業承継支援室長
大滝二三男