税理士さんが還暦を迎え、引退を決意したのではありません。
試験に挑戦し続けた息子さんが、税理士になることなく、実務を担当。
先生は御年88歳。「息子がそろそろやめたいと言っているので、、」と相談。
「もっと早く辞めたかったが、息子一家のこともあるので、税理士を続けてきました。もう限界です」
住居兼事務所で、先生と息子さんの2つの机が並んだ質素な事務所。
お客さんも近郊の自営業者や中小零細企業がほとんど。
税務上問題になるような案件を持ってくる顧問先もなく、記帳代行と税務申告がメイン。
息子さんが実務を担当し、顧問先への決算説明なども先生はご無沙汰。
近年の税制改正や会社法の改正などにも、「頭が回らなったが、辞めるに辞められなかった」
それでも、息子さんが体調も思わしくなく、”家業”を続けることが不可能に。
税理士会との交流もここ数年ほとんどなく、知り合いの税理士さんとも連絡が途切れてしまった。
そこで、承継相手を紹介してもらいたいとの要請が届いたわけ。
このようなケースでは、顧問先がどのような状態か気になるところ。
予想されるのは、事業を続けるにしても数年後には廃業すると予想できる顧問先が多いということ。
そうなると、承継の対価もほとんど出ないということも十分考えられる。
「やっていただける日地がいればそれで結構です」とはいうものの、いざとなるとそれでいいか疑問が残る。
いずれにしても、現在は相談に入ったばかりで、この結果は後日、報告します。
事業承継支援室長
大滝二三男