事務所を構えてから40数年、後継者がいないままに不安な時を過ごされた先生。
最初にお会いしてから足掛け6年、この間2度ほどお会いしました。
具体的なご相談はなく、単に事業承継するとなると、どうすればいいのか、といった程度の話。
こちらも丁寧に説明をし、先生の事務所の将来に、一番いいと思う方法をそれとなく話す。
事務所の事情についても、先生がお話にならないことまで深く追求はしませんでした。
それが二度目にお会いしたときのことでした。
先生の慎重な態度に、こちらもあまりせかせるようなことをしたらいけないと、待ちました。
先生との連絡は事務所に電話を入れることでしたが、先生はあまり事務所にはいません。
こちらの肩書などを事務所の方に告げると、職員が余計な憶測をしますので、それもできません。
ですから、ただ先生からの連絡を待つしかありません。
そんな悠長なことをしていて、先生はどこかに相談してしまうのではないか、という声もありました。
でも、そうであれば、それも良しとしましょう。先生のご要望に応えられなかったのでしょうから。
しかし、「あの話を進めてください」という連絡があり、間違いがなかったとひと安心。
早速、引き受け手候補の先生に連絡。こちらも了解の返事。
先生が腹を決めたときにしか、我々の出番はありません。
それには、相当の時間がかかるということ。
50年近くも事務所を経営してきた先生が、事務所を閉じると決めるのは大変なことです。
しかし、後継者がいなければ、いつかは閉めなければいけません。
当支援室では、そんな先生のご相談に、誠心誠意対応させていただいております。
事業承継支援室長
大滝二三男