税務署の指定官職者が退職に際し、当局が顧問先を斡旋することが禁じられて、4年。
これに伴い、退職後に税理士に登録する人が減少し、再雇用の道を選ぶ人の増えている。
そんな中で、少々上向きと言われる経済だが、新人税理士が顧問先を開拓するのも困難。
そこで、税務署で培ってきた専門知識・経験を発揮するため、税理士事務所の顧問の道がクローズアップ。
これまでにも、例えば各税に精通したOB税理士が、単独で顧問となっている例は多い。
しかも、この数年、法人、所得、資産、徴取そして査察などの専門的な分野で、各エキスパートが協力。
組織化されたグループで、税理士事務所や法人からの要望に対応していく形が出てきた。
このような体制を敷くことによって、個人ではできなかった総合的な対処が可能となった。
まずは、無料相談を受け、その後に本格的な対応が必要な場合は有料で動くことに。
それぞれの出身母体である後輩たちも、”わが行く道”と邪険にはしませんから、強いですよね。
このような状況が出てきた裏には、もちろん斡旋の禁止もありますが、やはり税法の複雑化もあります。
一人の税理士が一人の判断だけで、税法を理解し、間違いなく処理することも困難になってきています。
そこで、税務署に相談と言ってもなかなか難しいので、OB税理士に対応を委ねることに。
実際、大手の税理士法人では、各税の専門のOB税理士を顧問契約し、申告書のチェックなどを依頼。
判断に迷う事例などを担当者が独断専行することなく、適切に処理されている。
このあたりも、個人事務所から税理士法人への流れとなっていることを証明。
事業承継でも、「もう一人税理士の時代ではない」と、法人への経営統合が大きな流れになってきている。
昔、税理士が個人企業の顧問先を法人化させた流れが、自分たちのところの及んできたかのようだ。
事業承継支援室長
大滝二三男