税理士歴40数年の、ある地方の先生です。
税理士の先生たちの交友関係といえば、税理士仲間というのが相場。
しかし、会計事務所の経営に関して意見を交換することは、ほんとんどないに等しい。
税理士会の会合でも、事業承継の話はしたくとも、できないのが実のところ。
若手で将来有望な先生が見つかっても、直接話をすることもできない。
日頃から若手と肝胆相照らし、気心を知れるまでになっているという関係は数少ないはず。
今回ご相談があった先生もこのケースで、自分では良いと思っていた先生には声はかけられなかった。
そうこうしているうちに、先生ご自身の健康が怪しくなり、独力で承継者を探すことができなくなった。
弊社では先生のご要望と家族の考えをじっくり聞き、最適な相手として税理士法人を紹介。
職員は2名で、男性は2人、あとは入力専門のパートさんが2名という”所帯”。
事業承継の話を進めるうちに、男性1名が退職することになり、残りの職員は法人が引き取った。
しばらくは、先生の事務所を税理士法人の支店とし、引継ぎ完了数年後にも本部に吸収することに。
先生もその支店の社員税理士に就任し、お客さんには何ら迷惑はかけない体制が出来上がった。
採算の問題を言えば、法人にとってはそれほど”おいしい話”ではない。
ただ、事業規模が大きくなることによって、職員が上に立つチャンスも増え、士気も上がってくる。
地域1番店を目指す同法人にとっては、新しいお客さんからの口コミのチャンスも増える。
譲り渡した先生も、法人のために新たなお客さんを紹介してもらうよう、社長たちにお願いすると意気込む。
これまでは自分の仕事が増えては困ると、”営業”は打ち止めにしていたのだが、今は違う。
先生も、「身体は心配だが、少しでもお客を増やして、恩返しをしなければね」と、笑顔で話す。
ご家族も先生の負担が大幅に減り、精神的な不安が去ったことで、一安心。
実はこのような話はこれまでに数多く経験しているだけに、当支援室にとっても”普通の案件”。
若手の最適な承継者が見つからない所長さん、そしてご家族も、ぜひご連絡ください。
事業承継支援室長
大滝二三男