個人タクシにの確定申告は組合で一括して行っている例が多いので、一般的な税理士事務所にはなじみません。
ヒョンなことからタクシンーに乗り、月並みですが、景気の動向などの質問をしました。
答えは予想通り、「いまいちどころか、まるで駄目ですね」とは、企業タクシーのドライバー。
個人タクシーのドライバーに同じ質問をすると、「まあまあ少しましになってきましたね」。
個人タクシンーのドライバーで相当な年寄りの姿を見なくなったが、その質問に若手のドライバーの答え。
「75歳定年制が実施されましたので、高齢の方が辞めて行っているのです」とのこと。
そこで、事業承継の話を聴いてみると、当局がタクシーを増やさない指導を勧めているという。
そのため、個人タクシーの免許を取得しても、勝手に開業ができない状況になっている。
そこで、定年なり、高齢を理由に廃業を決めた個人タクシーのドライバーから車を買うことになる。
言って見れば、相撲茶屋を買うようなもので、廃業する人の権利を購入してい初めて開店。
個人タクシーの場合も、車そのものがお店と同様の存在で、この車を買うことからスタートする。
それというのも、当局は新規の開業を一切認めていないから、そうするしか方法がない。
長年会社のドライバーとして働き、違反することなく十数年、やっと個人タクシーの免許を取得。
身近に廃業するドライバーがいなければ、出てくるまで待つしかない。
運よく、廃業する人が見つかり、事業承継の契約が済んで初めて個人タクシーはスタート。
その事業承継の金額はというと、なんと50万円で良いという。
税理士事務所の事業承継に比べれば、月とすっぽん。個人タクシーはいい商売ですねとも言いたくなる。
しかし、その稼ぎは税理士事務所と比較にならないほど少ない。
しかも、自分の身体だけが頼り。誰も替わりになってくれる人はいないだけに、果たしていい商売か?
タクシードライバーも資格ビジネスと言ってしまえば、同じだが景気に大きく左右されるだけにきつい商売。
それだけに承継費用は、いわば車の下取り費用といった感じで取引されているのだろう。
話を聴いた個人タクシーのドライバーは、「決して安いとは言えません。ただでもいいくらい」
個人タクシーが霞が関に官庁街で長時間の駐車を見ると、やはり”官頼り”こそ生きる道なのかもしれない。
こう見ると、税理士業界にはまだまだ救いはありますね。
比較する業種が違うだろうと言われるかもしれませんが、どんなもんでしょうね。
事業承継支援室長
大滝二三男