以前から、この夏休みシーズン後に、事業承継の話が飛び込んでくると書いていますが、それが証明されています。
先週も九州に行きましたが、このご相談もお盆後に最終的は判断をするために、事前に話を聴きたいというものでした。
さらに2週間前には、東京で数年ぶりに連絡が取れた先生から、この暑い夏を過ぎたら考えますと、言われました。
夏真っ盛りは、じっくりと面談した決着をつけるということはあまりありません。
暑さで考えも集中できないこともありますし、相手の話を聞くまでにならないようです。
しかし、ご自身の職を解く話ですから、お子さんたちにも了解を得たいというのが本音。
特に奥さんも旦那さんが高齢になれば、お客様に失礼はないかと少々不安と常々考えている方もいる。
「もうゆっくりしてくださいよ」と言う反面、いつも家にいてもらっても困るというのも、これまた偽らざる気持ちとか。
その調整が難しいところだが、やはり背中をしてくれるのを待っているという先生もいる。
その役割を当支援室が結果的に行うことになるケースも、かなりの数に上る。
先日も決着を見た83歳の先生の場合、ご自身では3年前の相談時にすぐにでも辞めかったという。
しかし、職員3人のことを考えると、話し出せずにいたという。
久しぶりに当支援室から連絡をすると、すぐに事務所に来た欲しいとのこと。
職員さんたちもいる事務所では話ができないでしょうと言うと、「いや、聴かせたいのだ」
そうなんです。自分から話すのではなく、それとなく職員に聞こえるように話がしたいということ。
このようなケースはほとんどありません。職員には話が決まってから話すというのが普通。
しかし、聞こえるように話してくれと言う要請でしたので、行ってみました。
先生が職員3名を見ながらする形の机の配置。先生の横で話をしていれば、話はつうつう。
その結果、一番若い職員56歳が辞めると言う決意表明があり、すべての職員が辞職を決める。
先生は一人残って、承継者への引継ぎを現在も続行中。
暑中見舞いのハガキとともに、「非常に楽な気持ちです!」と一筆書き添えてありました。
肩の荷が下りたのでしょう。その影響で、体調がおかしかった先生が元気になった例もあります。
その一方で、ボケが進んだという先生もいますが、それはお歳のせい。
病気でも何でもありません。
お子さんたちもひと安心。常々、自動車の運転免許を返上するように主張されてもいました。
そこでピタリと免許を返上。地方都市では不自由だが、歩くようになって健康になったもという。
いずれにしてもこのシーズン、会話がなかった親子に会話が戻ることが増えそうだ。
事業承継支援室長
大滝二三男