当然ですね。事業承継は経営者の話ですから、税理士だけのことです。
しかし、事業承継を考えるのは税理士である所長でも、業務を承継するのは職員。
日々に現場の業務を行っている職員が、組織変更などで反旗を翻せば、職場は混乱します。
昔ほど、職員の集団的な力は強くありませんから、経営者である所長は強気に話が進められます。
事業を承継する税理士として考えなければならないのが、顧問先の数や顧問料の高だけではありません。
一番の課題は、引き継ぐ事務所職員の力です。
所長の指示することだけを忠実に行い、それ以上の事が出来ない人も多いのですが、これはアウト。
自らが判断し、顧客が期待するサービスを税理士事務所の適正な業務の一環としてできること。
最低限、それができてこそ、税理士事務所の”人財”として評価されます。
上の人から言われたことだけを忠実に実行し、臨機応変にお客様の要望に応えられない。
そんなことでは、”人財”として、責任のある立場には立たせてもらえないでしょう。
事業承継の場合には、税理士資格者でも、それなりの対応が出来なければ、評価は下がります。
資格があるかないかよりも、顧問先の信頼を確保できるかどうかの方が重要にもなります。
企業経営の立場から考えれば当然です。
コスト以上に利益を出してくれる人こそ、”人財”なのです。
勤務税理士で、担当する顧問先から受ける顧問料が、給与の3倍を確保していない例もよく見受けます。
営業マンであれば、これこそ情けのない話です。
給料の3倍は収益を上げてこそ、営業マンとしての立場が確保されるわけです。
国家資格を持っている人が、給料の三倍の売り上げを上げていないなどとは、もってのほか。
こういう人は”人財”とは言えないでしょうし、こんな人ばかりの事務所の評価は大変でしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男