給料が安いし、仕事を任せてもらえない。もっと、技量を磨きたいので、さらに上の組織を目指す。
資産税をやりたいので、相続に特化したの税理士事務所に行きたい。
などなど、勤務税理士の退職理由には様々です。
経営者からは、辞める段になると「期待していたのに…」といった声が漏れ、聞こえてきます。
本当にそうでしょうか?送る言葉として、聞く方は悪い気はしませんが、「なにをいまさら…」。
ここ数年、税理士法人も増加をしていますし、それも地縁血縁のない他人同士による組織が目立ちます。
平成14年に誕生したこの税理士法人制度も、第一期の経営者の中からバトンタッチをするケースも出ています。
そんな中で、サラリーマン同様、見えない出世争いが展開され、敗れたものが独立していくという形も。
サラリーマンと違って、資格を持ち、力のある税理士たちは、出世争いに敗れても、独立という道があります。
資産税などに特化した税理士であれば、スポットで勝負してきただけに、金融機関などにも名前が通っています。
その実力のほども、組織にいる時にそれなりの評価をされていますので、独立もしやすくなっています。
しかも、税理士であればだれでもできるという仕事ではないので、力が合えば、組織で動くこともありません。
とはいうものの、通常の法人を相手にするビジネスとは異なり、ある程度組織的動くことも要求されます。
ですから、独立をするときには、組織の部門ごと抜けてしまうということが出てきます。
税理士法人という組織にとっては、大変なことですが、業務的にみると、宿命的なものがあります。
やはりスーパーマンが出てくると、組織の中で安住することはできなくなります。
同時に組織として後継”社長”に指名されない場合には、外に新しい組織を作るしかなくなってきます。
税理士業界にも、このような流れが出てきたわけです。
こんな流れが次々に起こり、それが合従連衡へと流れて行くような気もします。
もちろん、資産税などに特化した税理士・税理士法人のみならず、普通の税理士・税理士法人も同じ。
そう5年後には、経済の流れも大幅に変わっているでしょうし、超大型税理士法人もきっとできているでしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男