税理士事務所にとって、いいお客さんとはどんなお客さんだろうか?
自社の帳場は経理担当者がきちんと記帳し、もちろん仕分けもしっかり行っている、いわゆる自計化しているお客様が一番のお客様でしょうか?
いいえ、税金だけのことを考えて、帳簿付けから申告まですべてを依頼しているお客様ほど税理士事務所にとってはいいお客様。
こんなお客様ほど税理士さんの要求する顧問料や決算料を文句も言わず払ってくれます。しかも、しっかり期日を守り。
「毎月の試算表を出せ、なんて言ううるさい顧問先はお断りですよ」。こんな発言を堂々とされる税理士さんも現にいらっしゃいます。
「私のやることに素直に従っていれば、いいんです。税務署が何か言ってきたら、私が言ってやりますから」。まさに堂々の発言です。
そこには顧問先の経済活動がうまく行こうが、行くまいが、”あっしには関係ございません”の世界。これまではこれでも良かったのだろうが、はたして、、
若手の税理士さんは口を案繰りとあけたまま、その話を聞いているものの、自分が引き受けたら顧問先も面食らうだろうと疑心暗鬼に。
確かに、上場企業のように経理担当者が税理士資格を持ち、税法のグレー部分に関してもそれなりの主張ができる企業を顧問先とする税理さんには理解不能。
それでも、街場の税理士事務所では、記帳代行が当然のように行われ、貴重な収益源になっていることもまた事実。
診療所を主に扱っている女性税理士も、うるさいドクターの余計なこと、金融関係の相談に乗るより、記帳代行をしているほうが余程いい収益になると言う。
現実は領収書の類を分類し、それを元に記帳して帳簿を作成し、税務申告まで行うことが、職員にも簡単にできる仕事でコストは安く、収益性も高いという。
多くの顧問先が知識が不足していることが税理士事務所を助け、生き延びさせていることになると、事業承継を誰もが経験したくなるようだが、はたして??
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。