顧問先の面倒を見切れなくなった先生、実務は知り合いの税理士に依頼。
会計業務を知り合いの税理士に任せ、税務申告書には自分でサイン。
とはいうものの、申告書作成はお任せだったので、まさにサインのみ。
全ての内容をチェックをして、署名捺印をしてきたという。
しかし、会計業務はこれまたお任せだから、決算を組んだのも他の税理士。
決算や申告書の作成料は、確かに自分で収受、委託業務料を支払う。
他人が作った決算書や申告書にサインをすることが、オーケーなのか?
答えは、もちろんノーだろう。
自分が資格者に依頼し、完成品をチェックしてサインをした。
それがなんで処分を受ける行為になるのか、理解できないという。
先生の指導監督の下、果たして他の事務所経営者が働いたのか?
同時に、顧問先が、他の税理士に申告書を作成することを知っていたのか。
と言うより、それを許可していたのだろうか?
たぶん、顧問先には一切了承を得ていないだろう。
こうなると、依頼主の先生は、守秘義務を侵してことになる。
自身が経営する会計法人でも、顧問先との契約がないと、これまたアウト。
最近の当局の動きからすると、会計法人と税理士との関係に厳しい。
同じ税理士が代表を務める事務所と会計法人でも、指導対象になる。
会計法人と税理士事務所の兼務職員でないと、税務は担当できない。
しかも、両者が共にお客さんと顧問契約を結んでいないと、いけません。
昔を知るベテラン税理士には、およそ考えが及ばない事態が今あるわけだ。
とにかく、処分をされてからでは遅い。
自分でできなくなったことは、即放棄し、執務内容を変えるべきだろう。
数ヵ月前に当局の指導を受けた税理士は、今は事業を縮小。
まさに、自分はできる仕事だけを行い、それ以外の顧問契約は解除。
やはり、税理士は、処分をちらつかされることに弱いのは事実。
晩節を汚したくない先生には、処分はもっての他。
そう、他人任せの業務展開は、考えてはいけないことのようだ。
事業承継支援室長
大滝二三男