地方都市において、税理士事務所にとって優良顧客は限られます。
しかも、税理士事務所の存在価値を認めて暮れる顧問となると、その数は縛られます。
この数十年間、税理士事務所が、企業成長に貢献したその成果は計り知れません。
しかし、企業が成長を止め、成熟期に入り、その後にどれだけ税理士が貢献できているのでしょう。
企業経営の設計図である経営計画をどれだけの企業が、税理士の指導の下で実践できているのか。
経営者自らが作り上げたプランで経営されている企業が、税理士の助言を必要としているのでしょうか。
自らの経営方針を認めない税理士は必要ないと、はっきりという経営者も当然いるでしょう。
税理士の助言通りに経営を行っていない方が、圧倒的に多いはずです。
たとえば、お医者さん。
彼らは、数値的なことでは顧問税理士の言うことを認めるでしょう。
しかし、経営に関することは、多分多くのドクターが認めないはず。
それは、プライド。自分たちが一番と考えている”人種”と言われてもしょうがないでしょう。
確かに、視診、つまり患者の目をしっかり見ながら問診をする、基本の基本です。
でも、最近は電子カルテの普及により、パソコンを見続ける医者が圧倒的に多くなっています。
歯医者さんでいえば、インターン制度が無くなり、大学で生身の人間の歯に触ることはほとんどありません。
それでは、どこで歯を削ったりしているのかといえば、人形相手です。
いつでも自由に、いいなりになる人形の歯を相手に、”訓練”しているわけです。
こうなるといざという時に、われわれの生きている人間の歯を治療することは、どうでしょう?
そんな人たちが、開業に次ぐ開業です。
そんなお医者さんたちは、自分がすべての判断する人ですから、他人には任せれらません。
お山の大将で、わがままな(税理士にとって)人たちでしょうか?
そして、彼らを顧客にすることで、経営の安定化を図る事務所も少なくありません。
広告宣伝が許された今、税理士事務所は優良顧客を求めて、営業活動を活発化しています。
高齢の先生が顧問をしている医療関係の企業には、営業に力をいれる税理士はアタックします。
経営者の趣味が分かれば、その趣味に乗じた営業活動もします。
地域で一番の医療関係を顧問先としている税理士事務所に万が一のことがあれば、幸いです。
あらゆる営業の活動を駆使します。
過去に、いかに医療関係者の企業の成長に寄与したとしても、選ぶのは企業経営者です。
過去に貢献してきたと自負する税理士でも、切られる覚悟しなければなりません。
そんな時代になってしまっています。生き残りのための営業活動は激化する一方です。
事業承継支援室長
大滝二三男