先月、自民党の税制大綱が発表され、財務省の主張に沿った改正項目が並んだ。
その中で、税理士業界にとっては”朗報(?)”の相続税の増税が大きくクローズアップされた。
金融機関も、早速、相続税対策セミナーを打ち出し、都合の良い商品をおおいにPRしている。
この増税による経済効果はどれほどになるのだろうか?
そんな中で、ここ数年非常に厳しくなってきた、小規模宅地の特例に関する取扱いが緩和される。
高齢化がすごいスピードで進む中で、家族の負担を考え、老人ホームに入居するケースが増加。
数年前、老人ホームで親が死亡すると、それまで住んでいた自宅は小規模宅地の特例から除外された。
これはほとんどの老人ホームに住民票を移すことが要求されるため、旧住居は住所となっていなかった。
この措置に関して、元に戻って、旧住所地・旧宅地としての扱いとなり、50~80%の評価減ができることに。
また、2世帯住宅でも、若干の緩和措置が取られることに。
この2つの緩和措置で、増税に対する怨嗟の声を和らげようとするものだが、果たしてそれで良いのだろうか。
東京都や大阪市に一戸建ての住居やマンションを所有する人の家族は気が気ではないはず。
これから”適齢期”を迎える老人たちは住宅やマンションをローンで手に入れた人がほとんど。
その子たちは、老人たちよりずっと少ない給与で過ごしてきた人たち、果たして税金が払えるのだろうか。
民を貧しくする政治は決して長続きはしない。インフレになったら、それこそ増税で、一家は離散する。
失われた20年を演出した政治家と官僚OBがいまだにぬくぬくしているのは、果たして先進国か?
事業承継支援室長
大滝二三男
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