こんな税理士さんがこの数年増えてきました。
年齢的には、団塊の世代の最終年代、そしてその直後の税理士さん。
事業的に行き詰っているわけではありません。
税理士業界で平均的な売上である4000万円を超えた人がほとんどです。
なかには、特化型で、年商2億円を超える税理士さんからの要請もあります。
確かに、経営者として30年近く、お金がらみで苦労されてきた先生たちの気持ちかもしれません。
いま以上の事務所の発展は考えられなくなったとき、自らの可能性に希望を失ったのかもしれません。
皆さんが言われるのが、「もう飽きた」「疲れた」といった言葉です。
そろそろ安逸な生活を送りたいという感情が、芽生えたのかもしれません。
事務所に勤める若者たちの面倒を見るのも、それこそ”面倒”になったのではないでしょうか。
事務所を継げるだけのの力にも期待ができないし、そんな人材を育てる気力も失せた。
というのも、これだという人材に期待をしても、そのうち事務所を辞めて行く。
その繰り返しで、数十年。独りで責任を負い続け、そろそろ限界。
そんな健康な人のリタイアが続いています。
でも、これって、実は健全かもしれません。
外科の医者は、60歳を境に守りに入るようです。
神経や血管などの入り組んだ体を相手に、老眼のハンディキャップを追いながら、格闘する。
やはり、限界は自ずから決まっているようです。
税理士も同じでしょう。税制改正の詳しいことが入らなくなれば、法律家として失格です。
限界を知ること、本当に難しいですね。
事業承継支援室長
大滝二三男