こんな相談を税理士さんからいただきました。
この方、税務署OBで、高齢のため、承継者を探しています。
30年近く前、税理士さんが死亡し、その職員であった人が訪ねてきた。
良く聞くと、先生が死んで、お客さんも困っている。
業務は自分ですべてできるので、先生の事務所に置いてほしい、というもの。
建前上、申告書は先生がチェックを、税務調査の立会も請け負ったそうだ。
しかし、顧問先との交渉などは、すべてその職員が行い、顧問料もそちらが受け取っていた。
自分のお客でないので、先生もほぼ野放し。顧客も多分、その職員ですべてが済んでいた。
面倒な税務署との交渉だけは、先生がやってくれているから、その職員も安心。
そんな環境が30年以上も続いていた。いわば、名義貸しとも言えば、そうではないといえない状況。
こんな事務所は、実は少なくないはず。
先生も、このような職員から申告料などを受け、当然給与は払わないわけだから、こんな良いことはない。
もちろん、職員も先生とはこんな”良い関係”であるとは、顧問先には一言も漏らさない。
当然、顧問料請求書もその先生の名前で出ているから、顧問先も○○税理士事務所が自分の先生。
税務署から何らかのアクションがあれば、先生が来てくれると信じている。
実際のそうしてきたという。
ところが、先生ももうくたびれてきたので、承継相手を探すことになり、事実を当支援室に”暴露”。
その職員の顧問先には、先生は責任を負えないということを確認。
結果、先生の顧問先だけを対象に承継先を探すことに決定。
その職員は先生とそれほど年齢も変わらないし、病気も抱えているということで、引退を決意。
その顧問先がどうなるかは定かではない。
これで先生も長年の悩みから解放され、承継者との交渉に入った。
事業承継支援室長
大滝二三男
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