事業承継に際して、譲り渡す先生の事務所を承継者そのまま利用するケースがあります。
このケースでは、譲り渡す先生の所有する事務所を賃貸するのがほとんどです。
事務所には業務を行う機器類がすべて整っていますから、承継者には重宝します。
この場合、もちろん事務所の賃貸料は月々支払います。
賃貸契約は当事者間の直接契約ですから、敷金などはありませんし、保証金もありません。
そこで、事務所にある什器備品はどのような処理がなされるのでしょうか。
弊社が仲介した案件では、リース物件は承継日より、新たに承継者が契約者となります。
ですから、リース物件の契約完了日前に契約者が変わることで、当初の契約者に違約金が発生しません。
リース料からは無事解放されますので、リース物件を抱えてその支払いに悩むこともありません。
その他の機材はどうなるかというと、ご自身は事業を辞めるので、無償で譲渡するケースが大勢。
これは事務所が引き継がれなければ、お金を払って業者に粗大ごみとして処理を依頼しなければなりません。
それを考えると、無償で譲渡し他方が賢明というこになりますし、双方とも気分的にもよろしいようです。
ただし、高級な機材等については、一部有償で譲渡することもあります。
これは耐用年数がまだ残っており、未償却残高で譲渡することになります。
しかし、第三者同士の譲渡ですから、消却が終わったものでも価値があるとみなせば、当然有償にもなります。
この当たりは、双方の了解事項となり、お互いしこりを残さないように注意が必要でしょう。
いずれにしても、友好的に事業が承継されるわけですから、これらの備品等の処理で問題は起こりません。
事業承継支援室長
大滝二三男