弊支援室に相談された税理士から、ある業者の話を訊いたところ、対価は年商の30%だと言われたと言う。
信じがたい数字だったので、税理士の仲介実績を聞くと、メインはなく何でも屋で、税界は実績なし。
当てずっぽうで対価額を言ったわけで、当方が説明すると、飛んでもない業者に引っ掛からずに一安心。
専門の担当者がいない業者
このような門外漢が登場するほど、税理士の事業承継に仲介案件が増えていることを証明されたわけか。
業界で活動する企業に、このような業者はいないだろうが、円滑な仲介ができる業者を選びたいものだ。
というのも、依頼される案件の数はここ数年増えてはいるものの、税理士事務所の絶対数は増えていない。
だから、年に数件しか依頼がなく、専門の担当者を置くことができず、指導者もおらず、手探りで″開業″。
これまでに、引き受け経験のある税理士が、にわか仲介業者の担当者を指導したケースも報告されている。
「税理士の事業承継は初めて……」
この業者は業界では知られた存在だが、たまたまの依頼で、社長命令で素人職員が担当を任された。
そこで、引き受け手の事務所に赴いたのだが、担当者は、相手をした所長もあきれるほどのど素人。
何でこんな職員が担当したのかと思わず訊ねると、社として事業承継を担当したことが初めてとのこと。
社長の顔で仲介を引き受けたけれども、社長は指示を出すだけで、具体的な指導も一切なかったという。
仕方なく、弊社が行った仲介業務の体験をテキストに、一から教え、その結果、承継契約まで漕ぎ着けた。
それでも、仲介手数料は同社が決めた要求通り支払ったという、まさに大人の対応に驚きもした。
また、他の業者は、担当者の5年分の年収相当の手数料の案件を処理した職員のボーナスは、驚きの15万円。
数千万円を手にした社長から労いの言葉もなく、口座に振り込まれた賞与に愕然とした担当者は即退社。
まとめ
にわか仲介業はどこにもいるが、手前味噌になるが、やはり専門家のいる業者に依頼するのが安全だろう。