所長は万が一の事があれば、もちろん現場に出て、陣頭指揮を取るが、日常の業務は職員が″主役″。
しかし、実務は一切行わない所長は数から言えば、圧倒的に少なく、規模的には大きな事務所の経営者。
ただし、基本的には所長の指導、監督の元で、職員はすべての業務を行い、最終的には所長が判を押す。
所員任せでも問題なし!
職員が50人超の事務所で、実務にこだわる所長でも、相続や複雑な税務をチェックする以外は、職員任せ。
もっとも、同規模の事務所は今やほとんどが税理士法人で、代表社員税理士は経営者として舵取りをする。
このような事務所の承継は、職員の理解があれば、比較的にスムーズに進み、日常業務も混乱しない。
と言うのも、社内のチェック体制が出来上がっているので、経営陣が替わっても、問題は起きない。
手離れ悪い〝所長案件〟
その一方、創業時からの顧問先は大事にし、職員任せにせず所長が担当する事務所は、実は手離れは悪い。
職員も″所長案件″には触らず、所長も顧問先の細かい情報などを職員と共有しようとしない。
このため、所長が病に倒れ、仲介者とコミュニケーションがとれない状況では、承継は円滑に進まない。
病ではなくても、自身の立ち位置がわかなくならないよう長年維持してきた顧問先と離れたくない。
承継は決めてはいるが、実はまだまだ腹落ちしない。そんな思いが、引き継ぎ現場でも出てしまう。
新たに登場する引き継ぎ管理者に対して、時には当て付けのように所長として、職員に指示を出す。
新管理者は大先輩の行動に戸惑い、仲介者にクレームを言う。仲介者として直ぐに対応策を講じる。
まとめ
所長と面談、指示出しは所長の腹落ちしていない事実を表したものだったことが判明。
改めて話を聞いた仲介者に、所長は悪気があっての行動ではなかったと謝り、その後は引き継ぎは円滑に!
やはり、承継を決めた時も現場を歩いていた所長は、引き継ぎ段階でも離れがたい気持ちは残りますね。