脱税幇助や自らの脱税、さらに名義貸しなどで当局の処分を受けた税理士は、年2回に分けて官報に、その処分の原因と共に掲載される。
国税庁のホームページを見れば、官報がそのまま掲載されているので、業界ではすぐにも情報が行き渡り、禁止処分を受けた税理士は、その地位を失うこともあり。
比較的処分が軽い業務停止を受けた場合は、一時的に顧問先を同業者が預かるのが通例で、期間終了後は元の鞘に戻ることになる。
そのため、顧問先に処分内容を説明し、一時的に同業者には預かってもらうことを了解を求めるが、中にはそれを機会に契約を打ち切る関与先も出てくる。
経営困難に…
こんな経験をした税理士も年齢などを理由に、事務所経営が難しくなり、後継者がいなければ、全くの他人に譲ることになる。
その際、処分時に関与先が離れていった経験のある税理士は、引き継ぎの際にお客が新しい税理士に契約を継続せず、評価が下がるリスクを理解している。
そのため、引き継ぎには慎重に対応し、後継の税理士と共に関与先を回り、落ちこぼれがなく契約が継続されるよう、万全の対策を取ることができる。
順風満帆に税理士人生を送って来た人に比べると、思いもつかない理由で処分を受けた人ほど、事務所の″終活″には思いの深さが、なぜか感じられるのだ。