14日には税理士試験結果が発表され、悲喜こもごもの風景が展開されるだろうことは、想像に固くない。
そんななかで、若い二世税理士が親の跡は継がないと宣言し、説得する両親を逆に説得してしまった話。
二世は資格を取るまでに、大学卒業後10年試験を受け続け、税法は消費税だけ合格で、法人税を受験継続。
そこで、親は大学院に行き、税法免除の特典を活かすよう薦め、息子は抵抗があったが修士課程を修了。
税理士登録後、実務に精を出したが何度も挑戦したが合格できなかった法人税が頭を悩ました。
合格できなかった法人税
というのも、直接的に法人税が実務上問題になるような場面はないが、職員の質問にはいつもビクビク。
法人税の基本的な考え方が理解できていないから、試験に受からなかったのだとの考え方が支配していた。
常に、法人税を理解せずに、企業の会計税務を指導して、果たして良いのかと抵抗感に悩まされた。
親は、法人税に合格していない税理士は山ほどいるし、日々実務を経験することで、悩む必要なしと言う。
これには、″確かに″とは感じるものの
自分を許せず、税理士業務に身が入らなくなり、跡は継がないと決意。
跡は継がないと決意
こんな真面目な先生だけに、簡単に決意は変えられないと考えた所長税理士は引退を先伸ばしにした。
それから3年、息子の心変わりを待ち望んでいたが、80に手が届く歳になり、遂に事業承継を決意した。
実務に斜に構えていた二世税理士は
無条件に賛成し、自分自身が税務から離れられると大喜びだ。
承継相手が決まると、職員を指導してスムーズな引き継ぎ方法を提案するなど積極的に動き回った。
さらに、病を抱えた親に代わり、担当者と共に顧問先を回り、事業承継作業を期待以上に上手くこなした。
この仕事ぶりを高く評価していた引き受け手の税理士は、手を携えて共同事業をやろうと提案するまでに。
だが、二世税理士は、早く税理士を辞めたいので頑張ったが、自分は税理士に向かないときっぱり断る。
まとめ
このように親の期待を背に試験に挑戦し、免除でも資格を獲得した税理士が親の期待を裏切る結果に唖然。
事業承継の現場では、今日も様々な人生劇場が演じられ、それを体験できる仕事に感謝する次第だ。
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男