サラリーマンなら定年を迎えると、嫌でも会社を辞めなければならず、家族もその覚悟ができている。
退職金が出る職場なら、配偶者に対して、その時期は労いの言葉も用意するだろう(?)
しかし、定年のない個人事務所の税理士には、区切りとなる″儀式″はないので、家族も準備ができない。
下手に、「お父さん、いつ辞めるんですか?」何て言おうものなら、先生は不機嫌となり、会話もなくなる。
それでも、ご自身が辞める機会を探している時にビタリはまると、「職員の生活もあるし、、」と悩みも共有に
それからはトントン拍子に家族の共通認識として、事業承継のタイミングを求めることになる。
家族の反対の原因は…
しかし、家庭内で″暴君として君臨″してきた先生には、家族が引退に激しく反対することがある。
定年で濡れ落ち葉になり、家庭内で邪魔物扱いされるサラリーマン以上に、嫌われる状態になる先生もいる。
というのも、仕事柄多忙時にはフラストレーションから家族に対して、ついつい厳しく当たることも多くなる。
なかには、今でこそDVとして厳しく糾弾される暴力も、ひとつ昔前は、手をあげる先生もおおめに見られた。
そんな先生が仕事を辞めて、一日中家にいるかと思うと我慢できない奥さんは、「辞めたらボケますよ」
それとなく、牽制球を投げるが、それに気づかない先生が事業承継を進め、承継契約をまとめた例があった。
最終的に承継業務が進むことがなかったのは、奥さんが握っていた事務所の経理簿等の提供を拒否したから。
先生の家庭内暴力が原因
仲介者がその理由を追及したところ、奥さんから先生が家にいると、暴力を振るう機会が増えるというのだ。
長年の夫婦生活で家に帰らない時期もあったという″豪傑″の先生は、今でも″暴君″で、家にいてほしくない。
事業承継ができてしまうと、行くところがなくなり、精神的にも落ち込めだろうから、契約は認めたくない。
そんなわけで、承継資料の提出を拒否する姿勢を続け、最終的に契約は破棄され、奥さんの願いは叶った?
このように、先生が税理士を辞めると決意しても、ご苦労様と労いの言葉を掛けられない先生もいます。