開業間もない税理士の顧客と言えば、まずは血縁関係者が一番手。
血縁関係者に事業経営者がいなければ、せめても確定申告の依頼。
その次に来るのは地縁ということになるが、気軽に話せるのが学校の同級生。
双方が親友と思っていれば、話は早い。
しかし、親友であっても懐の中身までは知られたくないというのも、実際本音。
お金の話をしないから、親友でいられたということもある。
だから、友達であっても比較的遠い関係の友人の方が、営業しやすいとも言う。
親の顧問税理士と馬が合わず…
最近の事業承継事例を紹介する。
親の事業を引き継いだ経営者が、税理士もそのままにしていた。
だが親父さんと同じような年齢の税理士で、どうも馬が合わない。
それで同級生の税理士に連絡。
お前が税理士になったと聞いていたので、連絡しようと思っていた。
たまたま高校の同期会があり、そこで20数年ぶりに会い、意気投合。
早速、顧問契約を結び、会計を見るようになった。
同級生の税理士と経営者が二人三脚
前任者は税務オンリー。
会計から経営を見る目がなく、もちろん経営のアドバイスなど一切なし。
そこで、さまざまな角度から同社の経営情報を分析し、社長にアドバイス。
それまで自分一人で経営を考え、悩んでいた社長に思わぬ援軍が現れた。
同級生ということもあって、言葉も高校生の時と同じように本音をぶつけ合った。
20数年ぶりに会った同級生だが、はっきりものを言う先生には、社長も何でも相談。
最近では、家族同士の付き合いはもちろん、先生は後継者対策に平気で意見する。
所長の代役は誰にもできない
こんな”深ーい関係”にある税理士が、事業承継を考える時期に。
その友人が社長を務める顧問先企業が、一番の優良顧客で顧問料も高い。
はたして、先生の代役を完全な形で務めることは、たぶん誰にもできないだろう。
しかし、先生は引継ぎはしっかりやるから、引き受けて欲しいと強く言うのだ。
まとめ
そこで後継の税理士は、先生には残ってもらい、その顧客だけを顧問として担当。
窓口はあくまでも先生にやってもらい、実務は優秀な人材を充てた。
顧問先の社長は、同級生が残り、いつでも相談できるので、顧問契約は継続。
将来的には双方が引退しない限り、この顧問契約は継続していくことになった。
後継の事務所としては、先生が引退した後のことに今からやきもきしているのも事実。
どうでしょう、こんな顧問先は誰でも抱えているのでしょうかね?