税理士法人を設立する際に、各社員税理士が"財布"を自由にし、職員も自分で雇用する独立採算制をとるところもよくある。
このケースでは、事業を構成員が引き継ぐ契約をしていることはほとんどなく、その場しのぎで解決策を探っている。
10数年前に税理士法人の構成員から、法人に顧客を渡す際の評価を訊かれたことがあり、その際は法人の評価額で承継。
このケースでは、法人の規模がかなり大きかったので、構成員の職員、顧客もほとんど落ちずに引き継げた。
しかし、寄り合い所帯で法人を組織した場合には、構成員が目一杯の仕事をこなし、引き継ぐ余裕がないことがある。
こうなると、構成員が引退する税理士の顧客を小分けにしても引き継げず、顧客を断ることしか出来ないことにもなる。
各々が〝財布〟を使う意義
法人内では出来ない相談でも、独立採算を取っているから、法人から離脱しても他の構成員には迷惑はかからない。
となれば、職員と顧客を引き渡せる相手を探せば良いわけで、残る税理士にも迷惑はかからないはず。
少しずつでも顧客が欲しいと考えれば、それなりの対価を払えば手に入るわけだから、お互いにとって利はある。
それもできない税理士法人の構成員から、職員を雇用し、対価を払える相手を探せるかとの要請がきた。
答はもちろん、YES。要請から2週間語には、税理士法人が先生も税理士を辞めさせずに引き取り、ハッピーエンド。
まとめ
ひょっとすると、独立採算制の税理士法人にはこのような形で、経営から解放されたい先生が多いのかもしれない。