信託というと、!「信託銀行?」という返事が返ってきます。
でも、信託銀行っていうのは、自己の商品を売るための銀行です。
今回立ちあがたのは、お客からお金や不動産などの信託を受けます。
その信託財産を運用し、その手数料を得ます。
決して、企業が開発した商品を顧客に販売することを目的とする会社ではありません。
いわば、財産を世代をまたがって、財産を引き継いでいく、その”仲介役”をする会社です。
つまり、有形の資産を、管理・運営することで、ファミリーの財産を守り、承継していくのが仕事です。
米国などでは税理士の仕事として、この信託の設立などが”普通に”行われています。
ファミリービジネスとして、信託を設立し、財産を特定の人に承継する、または承継させない仕事です。
もちろん、日本では簡単に信託会社を許可するわけではありません。
国としてても、「信じて託す」ことができる企業のみに、非常に厳格な条件のもとに、免許を出しています。
今回の企業も3年がかりで、金融庁の「運用型信託免許」を取得しています。
今後同様な企業が雨後の竹の子のように林立するかといえば、そうではないようです。
このビジネスが上手くいけば、多くの税理士が信託を使った財産承継を顧客に勧めていくでしょう。
金融業者に騙される歴史から脱皮するため、今回の信託会社が試金石になるような気もします。
税理士も顧客の財産をただ節税だけで守るのではなく、増やし、承継することに力を入れる時に来ています。
まさに西洋諸国に比較して大幅に遅れた、信託を扱う専門業者の誕生ではないでしょうか。
数年後には、インフレ社会に突入すると言われていますが、その時、同社が日本のファミリー守れるでしょうか。
事業承継支援室長
大滝二三男