昨年の秋以降の話です。中規模以上の税理士事務所のリクルートが困惑しています。
各地で一部の税理士法人に顧客が集まる傾向があります。どうして以下は理由は分かりません。
しかし、先日お会いした中堅の税理士法人代表者が、「仕事を任せることができる人が来ないんです」
こんな話をしていましたが、大手税理士法人の代表も同じことを言っていました。
そして、人材紹介業者も「税理士が移らない」と、商売あがったりの表情。
移らない理由は「先行きが全く見えず、移っても良い仕事ができるかどうか不安」という。
仕事が任せることができる税理士と考えられるハードルの一つが、”法人税試験合格”
税理士事務所にとって、法人のお客様がメインだから、このハードルだけはクリアdしてほしいところ。
しかし、この数年試験そのものが難しくなり、法人税を避ける傾向も出ているという。
さらに、将来事務所を任せることができることを考えると、どうしても期待するのは男性税理士。
試験に強い女性税理士が増える傾向にあるので、男性優先の考え方では、どうしても候補者は減商減少。
とはいっても、現在の経営者のほとんどが男性であるところから、当分はこの傾向は変わらない。
堂々巡りでは問題は解消しないが、とにかく仕事を任せてその成長を待つしか方法はないようだ。
とはいっても、その候補者自体がいないとなると、はてどうしたものか。
前述の中堅事務所のオーナーも「しばらくは税理士の足りない分、少しづつ顧問先を分けて対応します」
つまり、一人当たりの仕事量を増やすしか解決策はなし。早くいい人を捜さなければと悩みはつきない。
こうなると、事業承継はしたいが、職員の仕事が増えて対応できないという事態にもなりかねない。
当支援室としても、承継者として対応ができる事務所が減れば、満足のいただける案件処理ができないことも。
法人税そのものが非常に複雑になる傾向にあり、国際的取引のある企業の事務処理は問題も複雑。
そんな事案を簡単に処理できる“引き出し”を、たくさん以て優秀な人材は、余り“市場”にでない。
というより、そんな人材を望む方が無理ということ。自前で育て上げるしかないというのが現実のようだ。
”最低でも法人税試験合格”をクリアした税理士への期待は今後さらに強まること必死だ。
事業承継支援室長
大滝二三男