先日、こんな相談がありました。
85歳を超えた老先生のお話です。
税理士を続けたいというのではなく、事務所を続けたいというのです。
職員は全員パート扱い。正規の職員にすると、力をつけて、勝手に仕事をするといいます。
ご自分の指示が届かなくなるのが怖いようです。
しかし、職員は別として、お客様がなんの不自由もないのでしょうか?
多分、先生の耳には入っていないのでしょう。
事務所にはほとんど出ていないようでもあります。
いつ電話をしても、「先生は出かけています.帰る時間は分かりません」との返事。
そのパートの職員ですが、勤務歴は2~3年。
事務所のお客さんとツーカーというわけでもないようです。
ですから、お客様も老先生の事務所に大きな期待していないと思います。
帳簿をつけ、税務申告をやってくれていればいい、程度の期待でしょう。
日頃の営業の数字などを早めにチェックし、経営に活かそうなんて、考えてもいないのでしょう。
そんなお客さんだけが残っているのでしょう。
これが正規の職員が先生とともに20年、30年と仕事をしてきた事務所ではそうではないでしょう。
職員もそれなりの知識と判断力がありますから、適切なアドバイスをし、信頼も集めています。
でも、定年がない以上、先生の意思のままに、事務所も枯れていくのでしょう。
もちろん、死ぬまで続けたいという意思に文句を言う筋いではありません。
しかし、お客さんのことを考えると、「ちょっと待てください。」と言いたくもなります。
こんなご質問をいただいたのですが、税理士の先生、いかがお答えですか?
事業承継支援室長
大滝二三男