自分でそろそろ引退の時期だと考えている先生から、ご相談がありました。
年齢も75歳になろうとしているので、年内に始末をつけて、引退したいという。
しかし、33歳の息子さんが現在税理士試験の挑戦中で、後継者の見通しは立っていない。
息子さんの処遇がはっきりすれば、すっきり引退ができるのだが、悩みは尽きない。
そもそも、この息子さん、学校を卒業したから、10年試験勉強のみに専念。
税理士事務所の手伝いも、さらには仕事についたことがないという。
しかも、卒業後しばらくは公認会計士の試験に挑戦したが、その後、税理士試験に方向転換。
現在、会計の1科目のみの合格で、今年も1科目しか受験していないという。
そこで、先生は息子を公認会計士事務所に勤めさせ、そこで若い仲間とともに切磋琢磨させることに。
同じ境遇であれば、受験勉強の励みになるだろうと、考えたもの。
就職を受けてくれれば、お客さんをすべて無料で引き渡し、自分は即引退と計画した。
その計画を奥さんと子供に披露したところ、奥さんからはもう少し頑張っての一言。
息子さんからは、事務所が引き受けてくれても、いつ解雇されるかわからないと、御身かわいいの一言。
先生は「もう少し頑張って、息子も自分の事務所で鍛えなおします」といった結論に。
それにしても、10年間も受験勉強のみを許可し、甘えさせ放題の結果が、自らの引退の延期。
他人であればもう少し早く、引導を渡せたのだろうが、身内にはやはり甘くなるものでしょうかね。
これで試験に受かればいいだろうが、その可能性には疑問符がつく。いかがでしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男
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