7年前の話です。お父さんの税理士事務所に勤務する、30代後半の娘さんからの電話。
「父親が事務所を辞めると言っているので、相談に乗ってもらいたい」というもの。
早速、地方都市に出向き、話を聞くことに。父親の税理士さんももちろん同席。
「娘は気が強くて、嫁にも行かないんです」と、お茶の用意をする娘さんには訊かれないような小さな声。
お茶を入れてきた娘さんもすわり話がスタート。
税理士さんから「娘がもう仕事をしたくないというので、事務所を辞めるkとにしました」
娘さんに事情を聴くと、「父は事務所の仕事を放っぽり出した、毎日碁会所通いなんです」、むむっ。
「帳簿付けはもちろん、申告書を作成するのも、お客さんの相手も私がしています。」
「いい加減に碁会所通いは辞めて、仕事に精を出してほしいです。」
「いくら言っても、碁を辞めようとしないので、私が仕事を辞めることにしたんです。」
それでも、先生は碁を辞めるくらいなら、事務所を譲って、のんびりしたいという。
碁会所で顧問先を獲得していたというのなら、娘さんお納得したのだろうが、それもなし。
最終的に、事務所の仕事を仕切ってきた娘さんも新しい事務所で働くことに。
先生は税理士資格も返上して、専ら碁会所通いを続けている。
趣味で晩年・第二の人生を過ごすことになった幸せな先生でもあるが、ゴルフを趣味にしているせんせいも。
この先生はゴルフクラブでも有名人。ハンディキャップもシングル級で、協議にも参加する猛者。
いわく、「経営者の中にはシングルの人が結構多く、話しているうちに顧問を頼まれるんだよ」
こうなると、半端なことをしていたのではいけないと、毎日のようにジムにも通う。
ハンデイキャップを落としてはいけないと、常に練習と研究は欠かさない。
会員となっているゴルフ場も一流だけに、マナーなどにも厳しく、人間を磨かなければいけないとか。
ゴルフを始めたっばかりの若い同業者にも、会員権を買うならいいとk路を買いなさいと指導。
これも人生修行とともに、ひょっとするといい顧問先を見つけることができると一石二鳥。
所長しか営業ができないという風潮の中で、これこそ趣味が身を助けるということか。
毎週末にはゴルフ場に顔を出す猛者先生、今月の”収穫”はあったのだろうか。
事業承継支援室長
大滝二三男