個人営業の税理士事務所の場合、創業当時は奥さんも一緒に仕事をしていたケースが多い。
先生の家族も一人二人と増えるに従って、奥さんは子育てのために家庭に入る。
そしてまた、子育てが終わり、ある程度時間が取れるようになると、再び職場に復帰。
さらに、子供さんが学校を終えた後に、事務所の手伝いをするようになる。
その子たちが、先生の後継者となるべく、税理士試験の勉強を始め、資格に挑戦。
その一方で、お客さんたちとの交流も増え、仕事を覚えると、最前線に立ち向かうようになる。
先生にとっては、気兼ねをすることなく、仕事を任すことができる、大いなる希望の星だ。
しかし、業務に精通しだすと、仕事そのものも面白くある。
人生の先輩の社長さんたちと対等に話ができることも、楽しみの一つになってくる。
こうなってくると、実務をこなす時間が増えるにつれ、なぜか試験への熱意が年々減少してくる。
資格がなくても、日々の業務にはあまり影響がない。父親である税理士がバックにいるので、それは安心。
ところが、父親は、税理士として、完璧に仕事をこなせなくなる時期も到来する。
新しい税制改正などの細かい内容が頭に入らず、申告書のチェックにも自信が持てなくなってくる。
もちろん、会計ソフトや税務申告ソフトが細かいチェックをしてくれるが、責任を持つのは税理士のみ。
後継の税理士を探し出すが、眼鏡にかなう税理士なかなか見つからない。
自分だけはいいと思っても、家族従業員がオーケーをしないといったことにもなる。
そんな過程を経て、当事業承継支援室のドアをたたく税理士さんが多い。
しかし、そのうちの約半数は、家族との相談はない状況で相談に来る。
「話がまとまってから、家族には話をする」と言われるが、これは家族従業員がいない場合だけ。
家族従業員にも将来の計画があるので、そうそう簡単に「はい、そうですか」とはいかない。
これまでにも、いい話がまとまりそうになって、家族に話したところ大反対。家族争議になったケースもある。
もちろん、話は当然家族にしてあるだろうと言われるかもしれないが、実はそうでもないのです。
ですから、当支援室では「家族のみなさんの了承は?」と必ずお聞きします。
それがあって、初めて具体的な内容の話になります。
サラリーマンであれば、「明日から定年で、退職だ」と、旦那が言えば、「長い間ご苦労さんでした」となるが、
税理士には”定年”がないだけに、私の面前で、「75歳までやってもらいます」と奥さんに言われた先生も。
しつこいようですが、必ず家族の了解を得たうえで、ご相談ください。これが最低のの要件です。
事業承継支援室長
大滝二三男
事業承継のご相談は無料です。お気軽のご連絡ください。
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