税理士が死亡すると、後継者がいない限り、事務所は消滅する。
職員が税理士試験に挑戦し、あと一歩。合格したら任せると"遺言"。
しかし、時間は待ってくれず、所長は黄泉の国に旅立った。
職員は税法2科目免除を受けるために修士課程に進み、2年間が過ぎた。
そして、来年の3月には、税理士資格を取得できることになった。
所長が亡くなって、およそ1年半事務所を預かったのは、親友の税理士。
個人との約束を守り、遺族に売上の一部を毎月手渡し続けた。
よくある話が、お客を自分のものにし、対価も払わないという"事件"。
今回は約束で職員が資格を取れば、預かったお客と共に独立させる。
併せて、一緒に預かった他の職員も新事務所を移ることになっている。
これまでに、噂では耳にしたことをあるが、今回は遺族から直接の話。
遺族は預かってくれた先生には足を向けられない、感謝の言葉のみ。
来年の3月に新事務所ができたら、お客さんにも挨拶させてもらう。
ただ、資格を取得する職員は最年少で、ベテランとの関係に不安が残る
しかし、遺族は新事務所の運営に口を挟むことは、もちろんできない。
ただ、外から見守るだけだから、不安は増すばかり、どうなりますかね
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男