正直答えがあるようで、全くないというのもその答え。
これまでに、最高年齢92歳、一番若い税理士が37歳の事業承継を手伝いました。
92歳の先生は、そろそろボケが出てきたので、お客さんに迷惑になるとギブアップ。
そのお客さん18件を引き受けた税理士事務所は、5年たった今でも、17件の顧問を継続。
実に驚異的な実績。この事例では、先生より先に顧問先が代替わりし、企業として盤石。
その中身も、宗教法人、学校法人などのほかは普通の企業。
高齢の先生と女性の職員1名が業務を行っていたが、その懇切丁寧な対応が信頼を呼んでした。
その信頼する先生の紹介で、新しい先生が同じように対応したことで、顧問先は離れなかった。
しかも、離脱した顧問先の、その理由が廃業。ほかに移ったわけではない。
高齢の先生から承継された事例では、このようないい事例はない。
おおむね、先生と同年齢の顧問先の社長ということもあり、数年後には相当数の顧問先が消えていく。
同様に、60代後半の先生から、14件の顧問先を承継した税理士法人も好事例だろう。
この法人の場合は、起業経営を徹底し、働きがいがある事務所としても成長。
そんな法人のサービスを受ける14件のうち、前者と同様1件が廃業で、残りはしっかり。
この二つの事例のように、年齢は千差万別。辞め時は先生に腹一つ。
税理士会の研修会などに高齢の先生方が多いというので、自分のところにも、と考える先生も。
しかし、直接話をするわけにもいかないが、時には「○○さん、俺のところの事務所頼むよ」と言われる。
ところがである。いつまでたっても先生から声がかからない。そのうち、事務所を閉めましたとの連絡。
そうなんです。廃業を決めると、お客さんには税理士は自分で探してくださいと投げ出す人もいます。
その点では、本日紹介した事例は”見事に”承継された典型的なものです。
辞め時は他人は誰も決められません。年齢には関係ありません。先生の腹一つです。
事業承継支援室長
大滝二三男