「腹に落とす」という言葉があります。
何事に対処するにしても、腹が決まっていなければ、動くことはできません。
先輩税理士の事務所を譲り受けるべく、自ら腹を据えて対応しないと、承継は失敗します。
お金を出すんだから、こちらに言い分は通るはず、なんて考えていたら、足元をすくわれます。
「あの先生、本当にうちのお客さんの面倒を見てくれるのだろうか?」
「職員任せにして、ご自分は何もしないのではないだろうか?」
こんなふうに、顧問先を譲り渡そうとする税理士さんに、思わせたら、どうでしょう。
誰でもわかることなんですが、いざ自分の事となると、やはり安易な方に動いてしまいます。
「先生がそんなことを言っていましたか。私が先頭に立って、新しいお客さんの面倒を見るつもりですが、」
こんなことを言っても、もう譲り渡す先生の考えは変わりません。
「私としては、あの先生には納得できないので、申し訳ないが、他の先生を紹介してくれませんか?」
やはり、しっかりと見透かされています。この言葉が出たら、ジ・エンド。もう取り返しはできません。
最初からしっかり腹を決め、誠心誠意対応しませんと、必ずボロが出ます。
実はこの例は、これまでに90件以上の承継契約した中で、1件だけありました。
こちらも承継を希望する先生のチェックが甘かったのです。
ご自分でもお客さんを獲得する際に相当気を遣ったはずです。
でも、事業承継は、お金を払えばそれでいいだろうと、そんな気で対応されていたようです。
決して、そんなものではありません。
お金が欲しくて、事業承継を依頼するというケースは、”副業”で大失敗をし、二進も三進も行かないときだけ。
しかも、金融機関で資金繰りがつかない故の事業承継ですから、本当にレアケース。
お金のことは譲り受ける側は少しでも安く、という考えになりますが、譲り渡す側は違います。
ですから、承継希望の方は、しっかりと腹を据えて、2度目の創業を迎えるような気概で対応してください。
いつでも、承継できるから、次のタイミングを見て、なんて考えていると、案件は回ってきません。
どれだけ真剣かも、当支援室では見させていただいています。
極々初歩的なことですが、今回は最初の一歩の大切さを確認させてもらいました。
事業承継支援室長
大滝二三男
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