勤務税理士2人に事務所を承継させたのだが、承継に対価が払わない。どうしたらいいか?
こんなお悩みが届きました。
詳しい経緯は省きますが、そのうちの一人が支払いを拒否しているとのこと。
この事務所、亡くなった所長が家族を役員とする会計法人を設立し、2本立てでその業務を続けていた。
会計法人の業務を譲るその対価として、承継した業務量に応じて、分担して支払いをすることになっていた。
その後、紆余曲折があり、二人は分かれ、今回の事態となった。
会計法人に対し、10年間にその対価を支払うとする契約書もあり、何ら問題がないように見えるのだが。
現在、裁判にもなるような状況だという。
ここまでこじれた案件はほとんどないが、具体的に支払いを拒否している税理士の心情は分からない。
しかし、契約書がある以上、支払い拒否をしている税理士には言い分がないはず。
ここまでこじれた経緯を解きほぐしていくしか、問題は解決しないだろう。
引き継いだ事務所の経営が思わしくないのであれば、その事実を明らかにして、減額を頼むとか。
現在、会計法人の役員とも交渉が行われているが、暗礁に乗り上げたまま。
当支援室で扱った案件は、そもそも、支払いができないような人には話を持っていかない。
支払いが十分できる能力があり、誠心誠意対応できる人のみが、承継の対象者。
したがって、90件を超えた事業承継契約仲介の中で、このような事態は当然、皆無。
やはり、契約の段階から、それなりの組織、弁護士などを参加させることが必要だろう。
このような事態を聞くたびに、”転ばぬ先の杖”として、やはり第三者の参加が必要に思う。
事業承継支援室長
大滝二三男