中小企業の海外進出は、いまや生き残り策として、必要不可欠なものとなりつつあります。
とはいうものの先立つものがなければ、絵に描いた餅。
中小企業の社長さんが経営計画を書き、金融機関に融資を申し込んでも、すぐにはオーケーが出ません。
金融機関にしても、事業を展開する予定の海外の事情も的確に把握できるかといえば、首をかしげます。
そこで、中小企業の海外進出などに寄与してきた中小企業団体や税理士法人を中小企業庁が認定します。
その支援のもとに策定された経営計画などを基に、海外進出に伴う費用を融資するというのが法の趣旨。
わが業界では、個人の税理士事務所はアウトで、税理士法人のみがその対象。
もちろん個人事務所でもアジア進出のお手伝いをしてきた税理士さんは、沢山います。
今回はなぜか税理士法人のみ。憶測するに、やはり組織として対応できない個人では無理との判断か。
やはり時代は個人より組織に重点が置かれ、税理士法人誕生10年の歴史からも、公的に認識されたわけだ。
こうなると、税理士としては、海外移転を図る中小企業を支える専門家として、税理士法人化が大きな課題に。
若手税理士は組織化することにあまり抵抗を感じていないが、個人事務所の歴史が長い人ほど抵抗が強い。
これというのも、事務所は”自分のもの”であり、他人とともに運営するものではない。一人親方の考え方。
これまでも終始一人責任を負ってやって来たものとして、組織で動くことに慣れることもなかなか厄介。
もちろん、海外に進出するお客さんは皆無。従来通りの記帳代行と税務だけという人には必要ないでしょう。
でも、これからはしつこいようですが、組織の時代です。その中で個人の力を発揮する必要になります。
組織が嫌だから個人の仕事ができる税理士になったという方には、難しい選択を迫られることになるでしょう。
そんな状況を証明したのが、今回の中小企業経営力強化支援法ではないでしょうか。
事業承継支援室長
大滝二三男
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