本日、5年前に比べて4倍の規模になった内装の企業を訪問しました。
先代の社長が病気で死亡し、その後を継いだのが、甥御さんでした。
先代の社長にはお子さんがなく、高校を卒業した甥の方を”職人”として育てました。
人のいい現社長は、叔父さんに当たる先代社長の下で、15年、現場仕事から職人の面倒まで修業。
叔父さんが55歳を過ぎたころから病気がちになり、必然的にすべての業務を見るようになったそうです。
60歳の若さで先代が亡くなった時には、先代が営業できなくなって数年経ちましたので、事業も縮小傾向に。
やはり金融機関は社長しか相手にしないため、病床から起きて金策に走ったこともあったそうです。
先代社長が死亡した時には、それでも仕事を回してくれる仲間が、2代目社長を盛り立ててくれたそうです。
自らも営業しなければならなくなり、幸い先代の付き合いがそのまま受け継がれていたことが大きかった。
リーマンショックで、業界全体がしぼむ中でも、単価は下がってはいるものの、常に仕事はあったと言います。
後継者対策で悩む中小零細企業が多い中で、このような汚れ仕事もする企業はしぶとく生き残っています。
これも地縁血縁で結ばれた企業だからできたことで、日本の中小零細企業の典型ではないでしょうか。
先代の社長が亡くなり、再出発してその会社に採用された職員の定着率もよく、就職後に結婚した職員も数名。
そんな職員たちが、40歳(就任時は33歳)の若い社長を盛り立て、4倍の規模にしたことを誇りとしています。
ところで、この会社の顧問税理士さんはすでに70歳を優に超え、そろそろ引退を考えているとか。
若い社長曰く、「うちの先生は先代の時からだけに、波長が合わなくなっています」と正直に語る。
成長する企業に対して税務だけでなく、経営までもアドバイスしてもらえる先生が欲しいと社長は言う。
こういう声を聴くと、なるほど「良い先生を紹介しますよ」と言ってしまうが、果たしてそれで良いのか?
個人事務所の場合は、先生の年齢とともに事務所も枯れていく、顧問先は不安を感じているのだが、
税理士事務所が資格ビジネスでなければ、成り立っていかないことを痛感した企業訪問でした。
事業承継支援室長
大滝二三男
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