地方の税理士事務所の顧問先の中で、大変喜ばれた業種と言えば、土木・建設業関連の顧問先。
公共事業で地場の経済が成り立っていた10数年前までは、”粉飾決算”はあってもいいお客さんだった。
それが今では、ほとんどの地場の土木・建設業は青息吐息。倒産、廃業、そして清算する企業も少なくない。
税金で仕事をしている企業の税金の面倒を見る税理士事務所には、かけがいのないお客さんだった。
しかし、いまでは「借金だらけで、社長の資産を吐き出している会社もあります」という状況で、今や不人気業種。
帳簿や申告書の作成など毎月の業務を処理しているが、顧問料も滞りがちな企業も少なくない。
とはいうものの、宮城県を中心として震災からの復興で、元気を取り戻している一部の土木・建設業はある。
しかし、大手ゼネコンが”闊歩”し、地元の中所零細企業は、その下請けに甘んじているという。
とはいうものの、全国的に見れば、公共事業の大幅な縮小で、その存続は地方経済にとっても大問題だという。
税理士事務所の顧客としては、いいお客さんだったこれらの業種だが、いまや特筆できる好況業種はない。
業種で見るより、企業単位でみるしかないようで、好況企業を顧問先に持っている事務所はそう多くはない。
事業承継でみると、建設業などを多く顧問先にしている事務所には、明るい未来がないので敬遠される。
それ以上に、いい返事が来ないのが、貸金業やキャバクラ、そしてソープランドなどの業種。
通常、税理士事務所が、これらの企業から顧問を依頼されても、いい返事をしない傾向にある。
地方公共団体がこの数年で策定した”暴力団排除条例”もあり、たとえ反社会的な勢力と無関係でもアウト。
なかには、税理士を自分で探せずに、業者に依頼する企業もあり、そこからの紹介で顧問になるケースもある。
紹介を受ける側の税理士も二つ返事で顧問となることはないだろうが、今の経済状況では新規顧客は大歓迎。
しかし、その事務所が事業承継の対象になると、引き受ける事務所側は一歩も二歩も躊躇する。
一度顧問を引き受けると、後で反社会的な勢力と関係していることが分かっても、簡単に契約を打ち切れない。
反社会的な勢力が出入りしている税理士事務所だといった噂が立てば、一般の顧客も離れて行ってします。
事業承継で事務所を拡大はできたが、”厄介なお客さん”を引き受けてしまったことが分かっても、後の祭り。
そんなわけで、上記の業種が”厄介なお客さん”ではないが、”敬遠”されがちな業種であることは確かだ。
事業承継支援室長
大滝二三男
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