税理士事務所の給与水準は、一般企業に比較して、低いというのが”常識”です。
これは税理士試験挑戦中の職員に、「勉強の機会を与えている」という経営者の意識があるからです。
高齢の先生にはこれが当たり前。「書生(古い!)なんだから、安くて当然でしょう」というわけ。
でも、今や時代は変わりました。それなりの給与でなければ、十分には働きません。
数年前の話ですが、税理士さんから提出された青色決算書を見て、びっくり。あまりの給与の安さに。
それた反比例するかのように、先生の所得は売り上げの50%を超えているすごさ。
今や労働分配率で60%を超えている事務所もある中で、その事務所の労働分配率は20%にも満たない。
唖然として、「先生は稼いでいますね!!」といったものの、勤務年数が30年を超えた男性職員のそれはみじめ。
以下に地方の事務所とはいえ、これでは労働意欲もなくなるだろうという金額。
一般企業に勤務する息子さんの給与のほうがはるかに上だと、職員さんからそれとはなしに告げられる。
「今回先生が変わりますが、給料はどうなるんでしょうね?」とは、職員面談をした時の質問。
「通常はそれまでの給与を下げないで、現状維持とするというのが、慣例です」と話と、落胆の表情。
元気づけるつもりで、「引き継ぐ先生にお話しますよ」と言ったものの、気が重い。
そんな職員面談の状況を引き受け手の先生に話したところ、「私もひどいと思っていました」
さらに「よく我慢をしてやってきましたね。(給与を)上げられる余地は十分ありますよ」とうれしいお話。
幸い、承継後も事務所勤務を続けている50代後半のその職員にお会いすると、「元気でやってますよ」の挨拶。
こちらの仲介の労を取ってそのやりがいがあったというもの。顧問先さんも減ることなく、黒字体質はそのまま。
税理士事務所の黒字体質は当然だが、職員さんの給与を上げ、士気も上がって、元気な事務所に変身です。
もちろん、弊社がお手伝いした承継事案で、給与が下がったところはありません。通常は現状維持が慣例です。
事業承継支援室長
大滝二三男
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