個人の税理士事務所を合体した時に、それぞれの所長さんが残り、しばらく共同事務所にするケースがあります。
この場合、多くの先生方は日ごろの付き合いで、”この人なら”と考えて、一緒になることがほとんどです。
一種の”恋愛”ですが、お互いに自分の殻をかぶっているときはいいのですが、そのうち殻が破れます。
廻りの税理士さんたちは、「あの二人は波長が合っていたから、うまくいくだろう」と見守ります。
ところが突然、共同経営が瓦解し、また元の個人事務所になってしまっているのに気付くとがあります。
「やっぱり、ダメだったのか」とその具体的な理由は分かりませんから、こうなt納得するしかありません。
当のご本人たちは、同じ支部であっても、互いに顔を合わせないようにしていますし、もちろん話もしません。
そんな先生のおひとりにに会い、話を聞いてみました。
「想像した以上にストレスがたまるし、付き合っていた当時はそろばん勘定なんてなかったから、」
具体的な話は置くとしても、やはり経営手法にすれ違いがあり、双方が譲れなくなったとか。
経営方針は双方で協議をし、具体的な運営方法に関しても事前の話し合っているものと誰もが思います。
しかし、そんなものはなく、ただ数年後には引退する予定だから、今のうちに共同事務所を作ろう程度の話。
引退予定で、日ごろの付き合いからそれを任せられると考えていた年長の先生が、実は心変わり。
「こんな相手とは思ってもいなかった。将来どんな思いをさせられる分からない」と逃げ出すことを決意。
”恋愛”も熱い思いが覚め、冷静に将来を考えたとき、この人に身を任せられないと判断したわけだ。
税理士さん同士、支部等での会話には、ほとんど経営に関することは話題にならない。
せいぜい、「景気が悪いですね。顧問先はどうですか?」程度の話。経営上の問題などを尋ねることはない。
だから、日ごろ税理士法の改正などの難しい話はしても、自分の事務所の話は一切ない。
そんな人同士が経営を一緒にしても、歯車が合わないのは当然の話。結果は見えています。
でも、これからはそんな悠長なことでは生き残っていけません。
日ごろから税理士事務所の経営方針などをしっかり定め、その線で合体できるところがあればいいでしょう。
自分で積極的に相手を探すことはまず不可能でしょうから、あらゆる場面で意見を聞く努力が必要でしょう。
自らが門戸を開いていることが分からなければ、相手も心のうちは語りません。
理想的な相手、5年10年後の承継者を探すには、相当の期間だ必要でしょう。外部の意見も参考に!!
結果、税理士仲間から「先生良い人を見つけましたね。」と言われるように>
事業承継支援室長
大滝二三男