年末が近づくと、毎年事業承継の相談が増えます。
今年は特に景気も悪く、お客さんの窮状を見つめてきた、
大ベテランからの相談が例年より多くなっています。
高度経済成長期に開業し、わが世の春を謳歌したこともあった、
そんな先生方が、そろそろ引退を考えるといった相談です。
当時の貨幣価値と現在では、大きく異なりますが、
現在も当時の報酬を取っている事務所もかなりの数になります。
そうおよそ30年前でしたら、2社分の顧問料で、女子職員の給与が
払えたとも言います。
ところが現在ではどうでしょう。月額5万円の顧問料をいただいている顧客は
”いいお客さん”、地域によっては高額の報酬になります。
その金額で女性職員を雇えるかといえば、もちろんできません。パートの方、
それも一日数時間働く人のひと月分でしょう。
ですから、大ベテランの先生方は、年々お客さんも減ってくることもあり、
職員の給与が稼げない状況に陥る可能性が出てきています。
なかには、自分の所得が女性職員の給与よりも少なくなっている
大ベテランの先生も見受けられます。
こうなると、職員のための事務所経営という格好になっており、
これまでにそれなりの資産を蓄えた先生はこれでもいいのでしょう。
そんな税理士さんからのご相談が大きなウエートを占めています。
このような大ベテランの先生方には、尊敬の念を持ち、それなりの対応ができる
礼儀を知った税理士さんを紹介することにしています。
大規模の税理士法人だから安心して任せられるというものでもありません。
その経営者の思いを知ったうえで、ご紹介もしますし、あるいは紹介しないことも。
承継を希望される先生方は、そんな気で当支援室が動いているということを、
どうかご理解ください。
最適なお相手を求めている先生の期待を背にしているわけですから。
とにかく、この季節、先生方の腹が固まる時期でもありますので、
事業承継支援室では精力的に全国を走り回ります。
事業承継支援室長
大滝二三男
☆23日から26日まで海外出張ですので、24,25日のブログは休載します。