米国の日本人会計士は青息吐息。これはこの10年で、日本企業が米国から撤退が相次いでいるため。
米国の場合、人種のるつぼと言われるほど、各国各人種が集まっており、会計も同じ文化の人に頼むのが慣例。
ですから、日本人が年々少なくなっている米国西海岸でも、まさに数えるくらいしか日本人の会計事務所はない。
ロサンジェルスのリトル東京も、今では店のオーナーのほとんどが韓国系や中国系になってしまっている。
こうなると、日本人の集まるところはなく、ロスではダウンタウンに数件の会計事務所があるのみとか。
それでは日本人会計士は何をしているのかといえば、永住権を持っていながら日本で仕事をしている人も。
彼らが行っているのが米中の橋渡しコンサルタント。
何しろ、中国は今でも米国へのあこがれが強く、何とかして米国で商売をしたいという中国人が多い。
そこで、同じアジア人である日本人が、米国の企業と中国の企業を結び付けるコンサルをやっているというわけ。
しかも、米国にいながらはなかなかできず、隣国の日本に腰を据えて、頻繁に中国へ渡っている。
国内にいる日本人と異なり、米国で一旗揚げた会計士だけに、チャンスが中国にありといえばそこに行く。
こんな簡単なことは、国内に安住している日本人会計人にはできない相談だった。
しかし、昨今は。ビジネスチャンスはアジアにありとばかりに、東南アジアに出ていく、会計人は多くなっている。
当然、現地に行ってただちに商売が始められるわけではないが、日本のお客さんのサポートでも十分。
なかには、国内に資金を置いておいては危険とばかりに、億単位のお金をシンガポールに移して先生も。
聞いてみると、保険なども香港で買ったなどと言う50代の税理士さんからも「日本が危ない!」の一言。
米国に渡った会計士が米国では先が見えてきたと中国へ。
そして、国内の税理士は、ビジネスチャンスを見つけに東南アジアに進出。
当然今は準備段階だが、相続税の大幅増税、消費税のアップなどが実施されれば、日本の富裕層は?
それほど、国内にいることの危険性を訴える人が増えてくる。
公認会計士が増えて職場がないと叫んでいるが、これはとんでもない話。
「資格を取ったことで職場があると考えるほうが、非常識。」
「先行きを見えすに資格を取ったことを嘆くより、その力を信じて、海外へ飛び出すべきだ。」
こんな発言をするのが、米国で事業を展開し、なおかつ今や中国との橋渡しをする公認会計士さん。
「それこそ自己責任で、資格なんてないほうが良い」。これも同じ公認会計士さん。
とにかく若い人に会計業界は厳しい状況になる、とはまさに現実。でも、生きる道は100%あります。
事業承継支援室長
大滝二三男