公認会計士業界で嵐が吹き荒れています。
オリンパスの監査法人2社が一時的にも業務停止を受けたら、その将来はどうなるか。
大手2監査法人は公正な監査を行っていないのではないか、それがオリンパス事件で明らかに。
この事件は、日本国内ばかりか、世界中から指弾されてしかるべきで、その矛先も監査法人に向いている。
提携先の世界ビッグ3の監査グループも、今回の2社に対して、グループからの離脱を求めないとも限らない。
そうなると、あずさ、新日本の2監査法人は、国際的な業務もできなくなり、上場企業からも絶縁状が。
トーマツだけが残ると、公正な競争が行われないとして、今回は処分(?)を見送るのではとの憶測も。
しかし、今回の国際的なスキャンダルを見て見ぬふりはできないだろうから、処分は確実に実施されるはず。
そこで、業務を縮小しなければならなくなる2社から、それなりの人材が流失することになる。
それらの人がどこで食を食むのだろうか?
監査業務は大幅に縮小する中で、中小監査法人に救いを求めるのだろうか?
それとも、公認会計士が独立して、税理士業務に流れてくるのだろうか。個人では監査業務はできない。
現状では、税理士に登録しても、そう簡単に顧客を獲得することはできない。
しかも、税務を未経験の公認会計士が、教育の場を求めて税理士事務所に勤務することも可能性は低い。
今回の事件とは別に、今春以降監査法人からリストラされた公認会計士もかなりの数に及ぶ。
大手税理士法人の人事担当者も「かなり優秀な人材が応募しています」と、買い手市場を強調する。
さらに、今後5年もすると、経済規模もますます縮小し、監査対象の法人も減少し、会計士業界は厳冬に。
そこから這い出すような形で、税理士業界にドッと流れ込んでくる可能性は大。
その上縮小する税務関連の業務を7万の税理士が奪い合っているその真っ只中に会計士が”乱入”してくる。
果たして、難関の税理士試験に合格してくる新人税理士を含めて、壮絶な生き残りバトルが想像される。
その中で生き残って、業界を席巻するのは、果たして個人事務所なのか、それとも税理士法人なのか?
答えは5年も経たないうちに出ているに違いない。
サービス業を標榜する税理士が、顧客のニーズを的確に把握できるかどうか、勝負は”原点”にある。
事業承継支援室長
大滝二三男