後継者問題で、やはり皆さんが悩むのは、一緒に働く家族のこと。
税理士先生が仕事を辞めるということは、家族が職を失うことに直結する。
だからと言って、身体が、そして頭が動かなくなっても、仕事を続けるのはできない相談。
歳を取ってくると新しい情報は、なかなか頭に入ってこないのが常識。
古い情報だけで仕事を続けるリスクは、賠償責任を問う時代には計り知れない。
そんなリスクを背負ってまで税理士事務所を継続するのは、家族が職を失う以上に危険。
そこで、単純に税理士事務所を辞めるのではなく、事業承継で家族の職場を確保することも可能に。
昨日もそんな先生にお会いし、先生以上に顧問先との関係が深くなっている息子さんの安心する方策を提案。
日頃の業務は会計業務がほとんどだから、税務の相談、つまり先生の登場することも少ない。
これらの業務がスムーズに行かなければ、事務所の経営も安定しないのも当然。
それだけに息子さんにとってみれば、仕事・生活が守れれば、何も父親の事務所でなくても良いはず。
自分が辞めても息子雇用が確保できることを確信した先生は、「この話を進めて下さい」との意思表示。
息子さんに税理士になるよう期待したが、実現できず、悩むうちに息子さんもそれなりの歳になってしまう。
その結果、孫の生活まで面倒見なければならなくなっている税理士さんも数多い。
今回は、先生とその息子さんが事業承継に賛成で、年内にも契約ということになりそう。
しかも、息子さんの職場と給与は確保できる相手が提案できたので、こちらも一安心。
相談に来られて晴れ晴れとした様子に、その後ろ姿がなぜかすっきりしていたような気がする。
事業承継支援室長
大滝二三男